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ウイルスの構造と増殖の仕方

ウイルスを理解するには次の3点を理解するとよいでしょう。
  1. 遺伝物質
  2. 遺伝物質の入れ物
  3. ウイルスの増殖の仕方

1. 遺伝物質

virus-geneウイルスは遺伝情報を持っています。ウイルス自身が増殖するための設計図が遺伝情報です。人類と同じくDNA(デオキシリボ核酸)という物質を使い、遺伝情報を保持しているウイルスもいます。一方、RNA(リボ核酸)という物質を使い、遺伝情報を保持しているウイルスもいます。
RNAとDNAは構造(分子の種類や結合の仕方)がほとんど同じです。図に書き表すと、下のような二重らせんの形となります。二重らせん構造の水色部分(紐状の分子)は、糖がリン酸を介して紐状に結合しています。

RNAとDNAの違い

RNA
日本語ではリボ核酸と言う。リボ核酸は「リボース」という糖とリン酸が連鎖して紐状分子となり、これに塩基分子が鉛直方向に結合した物質である。これが単位となって、連結してできた分子がRNAである。
DNA
日本語ではデオキシリボ核酸と言う。「デオキシ」は英語では deoxy であり、その意味は「酸素が無い」という意味である。それは、RNAのリボースには酸素原子があるのに対し、DNAではリボースから「酸素が無くなった」デオキシリボースに置き換わっている。わずか酸素原子1個の有無でRNAだったりDNAだったりするのだ。

2. 遺伝物質の入れ物

virus-envelopeウイルスはRNA(またはDNA)を「入れ物」に入れた構造になっています。入れ物は、タンパク質でできたパーツ(分子)をたくさん集めて紙風船のようになっています。図はポリオウイルスの構造です。青、黄、赤で示したパーツを組み合わせた入れ物になっています。その中に、紐状(図では赤)のRNAが入っています。このように「遺伝情報を入れ物にいれたもの」がウイルスなのです。

3. ウイルスの増殖の仕方

ウイルスは自身単体では増殖することができず、次のような過程を経て増殖します。

  • 細胞への侵入
  • ウイルス遺伝子の複製
  • ウイルスタンパクの合成
  • ウイルスの組み立て
  • ウイルスの細胞外への放出

引用

このコンテンツは「ウイルスの構造と増殖の仕方」より引用しました。

図は Faneg factory の著作物です。